わずかな油断や認識不足による法令違反も多い現代に、不祥事を防いで社会的信頼を維持するコンプライアンス対策の基本研修とは?
- 記事公開日
- 2025.06.25

この記事のポイント
コンプライアンス違反は、故意的でなくても些細な認識の違いから生じるリスクがあり、どの企業にとっても人ごとではありません。「うちは大丈夫」と甘く捉えているうちに、大きな不祥事が起きる可能性もあり、普段からの徹底したコンプライアンス対策が重要です。
この記事では、3時間で学べる研修「コンプライアンス対策の基本(129)」の内容をご紹介します。
コンプライアンス対策に取り組むべき3つの理由
これまでに多くの会社で法令に反した数々の不祥事が発覚し、社会全体でコンプライアンス対策が注目を浴びています。特に近年では、次のような背景からコンプライアンス対策が求められています。
デジタル化の推進
さまざまなビジネスシーンで積極的にITツールが使われる昨今、サイバー攻撃などによる情報漏えいのリスクは高まっています。機密情報の流出から、第三者による不正利用などの犯罪につながる危険性もあり、個人情報保護法やGDPR(EU一般データ保護規則)といった法令の遵守が求められています。
SNSの普及
X(旧:Twitter)をはじめ、個人で自由に使えるSNSが浸透し、情報拡散がされやすい世のなかになっています。こうした現状から、社員の投稿による不祥事が起きるリスクも高まっており、企業の評判を貶める情報が広まりやすい危険性も。例えば広報用の企業アカウントでの差別的な発言や誤操作による私的な投稿、不適切なプロモーション内容など、ブランドイメージを低下させる炎上につながるケースも見られます。このようなSNSを通じた不祥事や誤情報の拡散などを防ぐ意味でも、コンプライアンス対策が注目されています。
社会的責任の増大
過去には、利益独占など身勝手な目的による不祥事が多く発生し、企業に対する世間の目は厳しくなっています。そこで現代の各企業には、単に利益を追求するだけでなく、社会の一員としての責任を果たすことも求められているのが現状。徹底的なコンプライアンス対策によって社会的な信頼を築き、企業価値の向上を図ることが重視されています。
不祥事が起きやすい組織の特徴は?
企業の不祥事として、例えば下請け会社への不当な代金減額や個人情報の流出など、これまでさまざまなケースが見られてきました。では実際にどのような組織で不祥事が起きやすいのか、その特徴を解説します。
不正を生む「動機」が多い
心理的なストレスをはじめ、不正に走る「動機」が多いほど、不祥事のリスクは高まります。例えば「ノルマが厳しい」「目標未達成のペナルティがある」など、強いプレッシャーから、不正をしてでもやり過ごそうと考えてしまうパターンもあります。
不正ができる「機会」を得やすい
リスク管理が十分でなく、たやすく不正ができる「機会」を得やすい状況から、不祥事に発展するケースもあります。例えば社内のルールや重要事項の相互確認(経費精算の承認など)がうやむやだったり、些細なミスが見逃されやすい環境になっていたりすると、ごまかしが利きやすく、不正の「機会」につながります。
不正を「正当化」しやすい環境がある
「○○だから問題ないだろう」「△△するには仕方ない」など、不正行為を「正当化」しやすい風潮が、不祥事の原因になるケースも。例えば結果や体裁を優先したり、違反を軽視したりするなど、法令意識の低い社風から不祥事が起きるパターンも見られます。
コンプライアンス対策で重視したいポイント
時には1つの不祥事から、さらに企業の信頼を低下させる、他の大問題に発展するケースもあります。例えば不十分な情報開示から隠蔽疑惑が出たり、記者会見時の不用意な発言でブランドイメージが崩れたりなど、大きな炎上につながる場合も。特に上場企業では、株価が大幅に下落する危険性もあります。こうしたさまざまなリスクを回避して社員と会社を守っていくには、十分なコンプライアンス対策が重要。そこで本研修では、次のようなポイントを中心に、コンプライアンス対策の手法を習得します。
組織全体と個々の弱みを把握する
まずは不祥事を生む「動機」「機会」「正当化」の観点から、コンプライアンスに対し、どのような弱みがあるのか把握することが重要。組織全体と社員それぞれにおいて、どういった不正の可能性が考えられるのか、具体的なリスクを洗い出してみましょう。
不祥事につながる三大要素を取り除く
企業内のコンプライアンスに対する状況が把握できたら、不祥事の三大要素となる「動機」「機会」「正当化」の観点から不正を防ぐ対策を講じます。例えば社内ルールのあいまいな部分の改定、不正のリスクを明確にする啓発セミナーの開催など、不祥事の三大要素を減らす措置をしていきます。
まとめ
コンプライアンス対策は、企業全体の社会的信頼性を高めることで、会社と社員を守り続けるものです。例えば個人情報の流出など、悪意がなくても発生し得る不祥事も多くあり、本研修ではこうした事故も含めて防止するコンプライアンス対策の手法を学ぶことが可能。より徹底したコンプライアンス対策には、ぜひ本研修をご活用ください。
◆本記事でご紹介した研修
コンプライアンス対策の基本(129)