会議の司会進行をスムーズにするファシリテーションスキルの磨き方

記事公開日
2021.05.19

この記事のポイント

「会議参加者の発言が少なく、活発な議論ができなかった」
「時間をかけて議論したにもかかわらず、何も決められずに終わった」

という経験は少なからず誰もお持ちではないでしょうか。
会議に参加するメンバーの数が増えて会議の時間が長くなれば、無駄な会議によって多大な損失が発生します。このような事態を防ぐためには、会議の議論をリードするファシリテーションが重要です。

今回は、会議のスムーズな司会進行に欠かせない、ファシリテーションスキルの磨き方をご紹介します。

ファシリテーションスキルに関する詳しい内容は、以下のコースでお伝えします。

◆ファシリテーションの基本~会議の生産性を高める4つのスキル~【3時間】

ファシリテーション(facilitation)とは、日本でも2000年代初頭からビジネスシーンにおいて徐々に浸透してきたビジネス用語です。
グループ活動が円滑に実施できるように支援することを指します。ファシリテーションの役割を担う者がファシリテーター(facilitator)であり、会議においては司会進行役を務めます。ファシリテーターが会議参加者に発言を促したり、会議の議論をリードしたりして、円滑なグループ活動へと導くのです。

ファシリテーターに求められるファシリテーションスキルは、以下の4つに分けることができます。各スキルについて確認していきましょう。

1.話し合いの段取りを付けるスキル
会議が期待通りに進まない原因が、準備不足であることも少なくありません。例えば、会議の目的が共有されなければ、実りのある議論を行うことは難しいでしょう。話し合いの段取りを付けるスキルも、重要なファシリテーションスキルです。

会議の目的の明確化、会議参加者の人選、会議会場の選定、会議の進め方の決定など、ファシリテーションは会議で議論をする前から始まっています。ファシリテーターには有意義な会議にするために何が必要であるかを考え、行動することが求められます。

2.メンバーの知恵を引き出すスキル
会議で発言をまったくしない参加者や、他の参加者の発言を伺いながら当たり障りのない発言でやり過ごす参加者がいます。どちらも波風を立てたくないという気持ちから取る行動ですが、会議を行う意義が薄れてしまうでしょう。

したがって、ファシリテーターは会議の雰囲気づくりに努め、参加者全員が自由に発言できる会議の場としなければなりません。非言語メッセージも含めた、一人ひとりのメッセージを受け止めるコミュニケーション力を備えている必要があります。

3.議論を分かりやすく整理するスキル
参加者の発言が出尽くしたら、今度はこれまでの議論を分かりやすく整理していきます。発言を整理し絞り込むためには、論理的思考(ロジカルシンキング)が身に付いていなければなりません。

また、漏れや重複なく物事を分類するための概念「MECE(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive、ミーシー)」、要素を細分化して真の原因を突き止めるための思考ツール「ロジックツリー」を使いこなせることは必須条件です。

4.異なる意見を一つにまとめるスキル
ファシリテーションの最後のプロセスが合意形成です。会議参加者のモチベーションが高く、活発な意見が飛び交う会議であっても、考え方の溝を埋めることができず、コンセンサスを得られないことはよくあります。

そのため、合意形成に持っていくファシリテーションスキルが問われます。お互いがそれぞれの利害関係を超えて、どれだけ歩み寄れるかがファシリテーターの腕の見せ所です。

ファシリテーションスキルを磨くための取り組みは、一人よりも複数名で取り組む方が大きな効果を期待できます。これまで経験した会議をグループで振り返り、司会進行がスムーズだった会議とそうでない会議を挙げ、その理由を考えてみましょう。

また、模擬会議で自分のファシリテーションに対してフィードバックをもらうことで、自分のファシリテーションの特徴が見えてきます。自分に足りない部分やさらに強化したい部分を見極め、ファシリテーションスキルを磨いてください。会議の段取りを押さえておくこと、思考ツールに習熟しておくことも大切です。

今回は、ファシリテーションスキルの概要とその磨き方についてご紹介しました。性格が人それぞれであるように、具体的なファシリテーションの仕方もさまざまです。自分の特長を生かしてより良いファシリテーションができるように、ファシリテーションスキルを磨きましょう。

◆ファシリテーションの基本~会議の生産性を高める4つのスキル~【3時間】