プロフェッショナルと、対面で語り合う醍醐味。スクールLive「『槙野智章氏』講演会」の開催報告

記事公開日
2025.07.10

「日頃から人材育成に取り組み、弊社の研修をお申し込みいただいている企業への感謝を込めて、学びと交流に役立つ場をご提供したい」。
そのような想いから、弊社は2025年5月、「スクールLive」という新しい無料オフラインイベントをスタートしました。

【スクールLiveとは…】
さまざま様々なジャンルのプロフェッショナルの方にご登壇いただく、1日限りの招待制オフラインイベント。メディアのいないクローズドな場だからこそ聞けるお話や、ライブならではの臨場感をお楽しみいただけます。
なお、本イベントは公開型研修サービス「リクルートマネジメントスクール」をご利用いただいている企業のうち、ご案内をお送りした人事担当者の皆様を対象としております。人事や組織づくりに役立つ新たな知見を得ながら、異業種交流や意見交換の場としてもご活用いただけるイベントです。

本記事では、2025年5月26日に実施した第1回スクールLive「プロフェッショナルから学ぶ〜『槙野智章氏』講演会〜」の会場の様子をお届けします。

この記事のポイント

登壇者紹介:槙野智章氏

今回ご登壇いただいたのは、元サッカー日本代表である「槙野智章」氏です。

サッカーのプロフェッショナルとして類いまれな才能を持つ槙野氏ですが、プロ入り2年目から引退後のセカンドキャリアを視野に入れ、サッカー以外の活動にも精力的に取り組まれてきたとのこと。

今回の講演では、「先を見据えて目標設定をしていく大切さ」や、大きな夢に向かって走り続けるなかで得た経験・学びについて、熱く語っていただきました。

【講師プロフィール】

槙野智章
元サッカー日本代表、解説者1987年5月11日生まれ、広島県出身。2000年にサンフレッチェ広島Jr.ユースに入団。以降11年間広島でプレー。
10年にJリーグ・ベストイレブンに選出。年間で34試合に出場し、警告や退場は1度もなく、フェアプレー個人賞を受賞する。
同年12月ドイツ・ブンデスリーガ1部の古豪1.FCケルンに入団。戦いの舞台を欧州へ移した後、12年浦和レッドダイヤモンズに移籍する。
21年、10年在籍した浦和からの退団を発表。ラストゲームとなった天皇杯決勝では、劇的ゴールを挙げ有終の美を飾り、22年ヴィッセル神戸に移籍。
開幕戦となった名古屋グランパス戦でJ1通算400試合を達成する。そのシーズン終了後に引退を発表し、槙野劇場の第2章と題し指導者としてのキャリアを歩むべく、Youtubeチャンネルや自身のSNSを通じてサッカーに関するさまざまなことを発信するほか、Jリーグで指揮を執ることが可能となるライセンスの取得を目指している。

スピーチではなく、対話し合う。槙野氏の熱い「参加型」講演

第1回スクールLiveの会場となったのは、東京都中央区にある「AP日本橋」。コロナ禍以降、弊社にとって数年ぶりのオフラインイベントにもかかわらず、さまざまな企業の人事担当者様にご参加いただきました。

弊社代表・山﨑よりごあいさつ

槙野氏の入場に向けて期待が高まるなか、講演に先立ちまして、弊社代表取締役社長の山﨑淳よりごあいさつをさせていただきました。

代表・山﨑「皆様、セレンディピティという言葉をお聞きになったことはありますか?セレンディピティとは、『思いがけない出会いが、新たな発見やチャンスをもたらしてくれる事象』のことです。普段はなかなかお会いできないプロフェッショナルの方から貴重なお話を伺い、新しい価値観に触れることで、思わぬ気づきを得る ― 本日はそんなひとときになれば幸いです

昨今の職場づくりは『監督が管理する野球型』から、『選手がフレキシブルに考えて動くサッカー型』に移行しているともいわれております槙野様といえばまさに、サッカーの第一人者です。

今もなお夢に向かって走り続ける槙野様のお話を通して、組織づくりやキャリア形成など、今後の人材育成に生かせるヒントをぜひ持ち帰っていただければと思います」

「よろしくお願いします!」と槙野氏が会場に入られた瞬間、大きな拍手が上がりました。同時に、槙野氏が会場の皆様と顔を見合わせながら、照れ笑いをされるワンシーンも。

実は弊社代表・山﨑のあいさつが一区切りついた際、会場後方のドアから槙野氏がフライングで顔を出されるという、お茶目なハプニングがあったのです。

「さっきは変なタイミングで入ってしまってすみません!」という一言に、会場から一層温かな拍手が上がりました。

プロフェッショナルならではの学びと経験に、耳を傾ける

現役時代より、サッカー界の「お祭り男」として愛されてきた槙野氏。

引退後は地域スポーツクラブ・品川CCの監督として選手を率いながら、講演やメディア出演、会社経営などにも精力的に取り組まれています。

講演においてはオンラインをできるだけ避け、お客様と積極的にコミュニケーションを取る「参加型」を取り入れているとのこと。チームやサポーターを巻き込みながら場の熱を上げていくエネルギッシュなパワーは、講演でも健在でした。

早速始まったアイドリングトークにおいても、

「前方の席がまだ空いているので、せっかくだから前に来ませんか? たくさん話しましょう!」

「今日の講演のテーマは、『夢』です。僕のモットーは『笑われるくらいでっかい夢を持とう』なんですけど、皆さんの今の夢は何ですか? よかったら教えてください」

と、参加者の皆様にどんどん話しかけていきます。やや緊張感があった会場の雰囲気もすっかりほぐれ、積極的に手を挙げて発言される方もいらっしゃいました。

そしていよいよ、槙野氏の本格的なトークがスタート。

ご自身がサッカー選手を志したきっかけや、W杯という運命の舞台に立った日の心境、名だたる選手のなかで自分をどのようにブランディングしていったのかなど、1つの道を究めたプロフェッショナルとしての学びを惜しみなく語っていきます。

「本来人間に金額がつくということはないのですが、サッカーの世界ではあるんです。その世界で自分をどう磨き、魅せていったか」という、ビジネスにも大いに役立つ戦略に、参加者の皆様も真剣にメモを取りながら聞き入っていました。

参加者はほぼ初対面。しかし感想交換は大盛り上がりの場に

今回の「スクールLive」にご参加いただいたのは、同一の企業からお申し込みいただいた方を除いて、お互いに初対面の方ばかり。講演前は静かにPCやスマホをチェックするなど、やや緊張ぎみに過ごす方も見られました。

しかし、講演後に感想を交換する場になると、会場がわっと沸き立つほど賑やかに。同じグループ席の方々ともすっかり打ち解けた様子で、講演を通して気づいたことや、槙野氏に質問してみたいことを挙げられていました。

例えばとあるグループでは、小学生の頃からひたむきに夢を追い続けたという槙野氏の話を受けて、白熱の議論がスタート。

「槙野さんのような熱い人材を、人事として一から育てることはできるのか」というテーマに始まり、もとから優秀な人材が求められがちな昨今の採用事情も話題に上がりました。

「組織の『人を育てる力』が弱まるなかで、現場の育成をどうカバーしていけばいいのか」

「監督業に取り組まれている槙野さんが、どのように選手を導き、夢を与えているのか、ぜひ伺ってみたい」

など、学びと興奮を語り合う、熱意に満ちた感想交換会となりました。

質疑応答では、槙野氏と参加者の方が握手を交わされるシーンも

感想交換会の後は講演の締めとして、参加者の皆様から次々と質問が寄せられました。

「プロサッカー選手になるという大きな夢を叶えられた槙野さんですが、次の夢は何ですか?」

「人事として現場の育成にかかわるなかで、『ロールモデルがいない』という相談を受けることがあります。槙野さんは、ロールモデルは必要だとお考えですか? また、槙野さんご自身にも、ロールモデルとなる方はいらっしゃったのでしょうか?」

「組織に属しながらもやる気を失っている、『静かなる退職』状態になってしまった社員とのかかわり方に悩んでいます。槙野さんのお話を伺うなかで、周りに夢を与えてくれる方だと強く感じたのですが、『人に夢を与えるアプローチのコツ』があればぜひ教えていただきたいです」

時間が許す限り、寄せられる質問にしっかりと答えてくださった槙野氏。

次なる夢についても「日本代表の監督になることが、僕の夢です!」と宣言し、日本のサッカー界をもっと盛り上げたいという熱い想いをアピールしました。また、槙野氏が「いつか日本にも、海外のようにペットを連れて観戦できるようなスタジアムをつくってみたい」と話された時は、参加者の方から「何かお力になれることがあればぜひ」と声を上げるワンシーンも。

「ぜひ一緒に仕事しましょう!」と槙野氏も手を差し出し、参加者の方と固い握手を交わされていました。

おわりに

「まだまだ槙野さんに質問したい」という空気も残るなか、大きな拍手と共に幕を閉じた第1回スクールLive。
登壇者である槙野智章氏の熱い言葉に耳を傾けながら、参加者の皆様からもコミュニケーションを取っていくという、対面ならではの醍醐味が感じられるイベントとなりました。
コロナ禍をきっかけに、「対面で話す機会」よりも「オンラインで話すこと」が増えた現代社会。弊社がこのようなオフラインイベントを開催するのも、実に数年ぶりのことになります。
しかし年々、対面研修のご依頼が増えているほか、多くの企業の出社ルールにおいても対面回帰が進みつつあります。本イベントの盛り上がりは、「じかにコミュニケーションを取ることの価値」を、弊社としてもあらためて見つめ直す機会となりました。

弊社は今後も、人事や組織づくりに役立つ学びの場を継続的に提供してまいります。次回のイベントのご案内も、ぜひ楽しみにお待ちいただければ幸いです