女性活躍推進の課題は?

これからの女性管理職とキャリアプラン

記事公開日
2017.04.13

この記事のポイント

政府は「2020年までにあらゆる現場において指導的地位で女性が締める割合を約30%まで押し上げる」という目標を掲げています。この目標の中で女性管理職の増加を後押しする動きがありますが、この目標とは裏腹に、女性活躍推進が思うように進んでいない企業も多くあります。
今回は、女性管理職増加の妨げになっている原因を探るべく、女性が抱えるキャリアプランの悩みや、企業における女性職員育成の課題を取り上げていきます。

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「会社の本気」が女性管理職を増加させる

女性管理職増加の取り組みは1つのトレンドでもありますが、「なぜ女性管理職を増やす取り組みが必要なのか」という点が忘れられがちな場合も多くあります。つまり、女性の活躍推進がなかなか進まない原因の1つは、「企業のコミットメントの甘さ」と言えるでしょう。現場における課題の中から、代表的なものを以下にまとめました。

■女性管理職を増やしたい理由・目的が明確でない
多くの企業は女性の活躍を望みながらも、その理由・目的が具体化されていません。その時点で、取り組みの推進力はかなり弱まってしまいます。女性の活躍を推進することで会社がどう変わっていくのか、その先に企業の「ありたい姿」が存在するのかどうかを、しっかりと思い描くことが必要です。

また、言葉の響きが良い「女性が活躍できる現場を目指す」といったスローガンを掲げるだけでは、十分とは言えません。目的を明確にしてゴールの数値化を図りましょう。「○年後には女性マネジャーの比率を○%にする」といった具体的な目標と重要業績評価指標を設定して取り組むことで、実現につながります。

■女性を育成する風土ができていない
そもそも多くの企業では、管理職適齢期にあたる入社10年~15年目の女性が少ないのが現状です。これは、女性自身の意欲や志向が低いこと・主要な仕事を担うことが少なく、経験を積めないこと・上司が良質な仕事に女性をアサインしていないことなどが原因となっています。その結果、女性が中堅になる前に退職してしまうのです。

男女共に持っている「女性は家に入るべきだ」という考え方や、出産・妊娠を踏まえて「賢明な配慮」として上司が女性に重要な仕事をアサインしない慣習は、多くの企業で根強く残っています。このような判断は結果として、女性の成果不足・経験不足・知識不足を生じ、女性管理職の不足を招きます。

女性の活躍推進において、直属の上司は大きな影響力を持っています。女性の部下を会社の戦力として扱い、管理職登用への意欲を引き出すことは極めて重要であり、上司の方針次第で女性が育成するか否かが異なります。